AOKIホールディングスが展開する、3つの事業の成長戦略や最新の取り組みをご紹介します。

ファッション事業

現行事業モデルからの転換・刷新

店舗施策 売場効率の改善とORIHICA未出店地域への出店強化

商品施策 ウェルネス・スポーツウェア市場への進出とコラボ先の拡大

DX施策   AI技術の活用によるEC強化と店舗業務の平準化の推進

2026年度 戦略目標

( )内は2024年度実績

ショッピングセンター内
立地店舗比率

28

 (25.5%)

売場販売効率
(坪当たり粗利益高)

68万円

 (70万円)

 ファッション事業は、中期経営計画「RISING 2026」において「現行事業モデルからの転換・刷新」を基本戦略とし、店舗施策、商品施策、DX施策の3つの重点施策を推進しています。

 2024年度については、カジュアル衣料の伸長や、割引抑制・適正価格販売などによる売上総利益率の改善が奏功し、営業利益は計画を達成しました。また、店舗関連では売場効率改善のための改装やORIHICAの出店加速(15店舗)、商品関連では「クイックオーダースーツ」の全店展開や「パジャマスーツ®」シリーズのラインナップ強化およびレディースブランド「MeWORK(ミワク)」の推進によるアイテムの拡充とレディース衣料の販売促進、DX関連ではORIHICAで2023年度に全店導入したRFID(電子値札タグ)を活用した店舗効率化オペレーションの安定運用を推進しました。

 一方で、スーツ市場の縮小傾向は依然として継続しているため、お客様に価値を感じていただける商品開発とサービス向上の継続が不可欠だと認識しています。そこで2025年度に向けては、カジュアル・レディース衣料のさらなる成長を見込み、「LIFE&WORK STYLE」を実現するブランドへの進化を加速させます。同時に、ORIHICAは200店舗体制に向けた出店を継続して、新たなエリア開拓による認知度向上とマーケットシェア拡大を目指し、AOKIではRFIDの導入に向けた準備を行います。

 ファッション事業は、これからも市場や社会の変化に対応し、お客様の多様なライフスタイルに応える新たな価値創造に挑戦し続けることで、持続的な成長を目指します

事業トピックス

ORIHICAの出店戦略を強化

 ORIHICAでは、全国200店舗の展開を目指し、積極的な出店戦略を推進しています。2024年10月には、福岡県福津市の商業施設「イオンモール福津」に九州初出店となる「ORIHICAイオンモール福津店」をオープン。その後も相次いで、埼玉県内で10店舗目、愛知県内で12店舗目となる新店をオープンしました。さらに2025年3月には群馬県伊勢崎市の商業施設「スマーク伊勢崎」に「ORIHCAスマーク伊勢崎店」を、同じく3月に福岡県福岡市に九州2店舗目となる「ORIHICAヨドバシ博多店」をオープンしました。これらの店舗では、懐かしさと新しさが融合したORIHICAの新デザインを採用し、幅広い年代のお客様に親しみやすい空間を演出しています。今後も積極的な出店戦略を推進して、マーケットシェアとブランドの認知拡大を目指していきます。

エンターテイメント事業

店舗モデルの進化と客層拡大

 全事業出店コスト低減と投資効率向上

 不採算店舗については、基準に従い統合・整理を実施

2026年度 快活CLUB戦略目標

( )内は2024年度実績

都市型店舗
稼働率

60

(49.8%)

都市型店舗
比率

21

(11.5%)

都市型店舗
女性客比率

35

(24.5%)

 エンターテイメント事業は、中期経営計画「RISING 2026」のもとで「店舗モデルの進化と客層拡大」を基本戦略として、各種の全事業共通施策と業態別施策を推進しています。

 2024年度は、快活CLUBの伸長による売上高の増加や不採算店舗の閉鎖等の利益改善が奏功したことで営業利益は計画を達成。4期連続の増収増益となり、過去最高益も更新しました。その一方で、当事業においては、依然として市場環境の厳しさや新たな課題に直面しています。具体的には、カラオケ事業の深夜帯の需要低迷は継続しており、お客様の行動様式変化へのさらなる対応が求められます。また、フィットネス市場においては、競争激化への対応として差別化戦略の強化が不可欠です。

 こうした課題を踏まえた上で、2025年度は引き続き「店舗モデルの進化と客層拡大」を基本戦略とした取り組みを推進します。快活CLUBでは、都市型店舗(鍵付完全個室店舗)の拡大を推進し、多様な利用ニーズに対応したサービス、席・部屋タイプ、飲食メニューの開発に加え、業態間シナジーを活かした販促施策を実施します。コート・ダジュールでは、新店舗モデルの出店と利用シーンの変化に合わせたルーム形態・飲食メニューの開発、導入により、客層拡大を目指します。FiT24では、ライフステージに合わせた料金プラン設定など、お客様のニーズにきめ細かく対応していきます。

 エンターテイメント事業はAOKIグループの成長ドライバーとして、中期経営計画における出店・設備投資計画(300億円)の約7割の配分が予定されています。今後、確かな投資効果を生み出すとともに、市場の変化を的確に捉え、お客様の多様なニーズに応える新たな価値創造に挑戦し続けることで、持続的な成長を目指します。

事業トピックス

快活CLUBの鍵付完全個室導入店を拡大

 快活CLUBは、2003年の1号店出店から「極上のリラックスを、もっと手軽に。」をコンセプトとして、余暇需要を中心にリラックスできる空間を提供してきました。しかしながら近年ではライフスタイルの多様化に伴い、ビジネス・学習用途でのニーズも拡大しています。こうしたニーズの多様化を受け、直近では都心・駅前などを中心に鍵付完全個室導入店舗の出店を加速しています。2024年12月には、オンにもオフにもご利用いただける空間として買い物や仕事の合間に立ち寄れるJR川崎駅前の複合商業施設「ラ チッタデッラ」内に新店舗をオープンし、同店にも鍵付完全個室を導入しています。今後も利便性の認知拡大に向けて、鍵付完全個室の導入や人気複合商業施設への出店を進め、一層の客層拡大へとつなげていきます。

アニヴェルセル・ブライダル事業

実店舗運営に加えてブランドビジネスへ派生

 既存店投資精微化・効率化による損益改善

 ノウハウを活用した新規事業へのチャレンジ

2026年度 戦略目標

( )内は2024年度実績

非ウェディング
売上比率

7

(5.2%)

 2024年度のアニヴェルセル・ブライダル事業は、グループ全体の増収に貢献し、営業利益も計画を達成しました。具体的な取り組みとしては、「基幹店強化と法人宴会事業の推進」として、2023年9月に全館リニューアルした「アニヴェルセル 表参道」では、高級ブランド企業のパーティや展示会などの利用が大幅に増加し、手応えを得ています。また、「アニヴェルセル みなとみらい横浜」も宴会受注強化のための設備改修を実施し、宴会需要取り込みに向けた体制強化を進めました。これらの取り組みにより、非ウェディング売上比率は2023年度の2.6%から2024年度には5.2%へと伸長し、2026年度目標の7%達成に向け順調に推移しています。同時に、「顧客体験と効率性の向上」として、「感情が揺さぶられるいい結婚式プロジェクト」を発足させて顧客満足度向上を追求し、本社スタッフの店舗支援や食材の一括仕込みなど、業務効率化と店舗負担軽減を実現しました。

 2025年度以降は、ブライダル市場の長期的な縮小傾向への対応に注力するとともに、法人宴会事業を新たな収益の柱として確立するために平日稼働率向上に向けたプロモーション強化と法人営業の拡大、組織体制のさらなる強化を推進します。また、基幹店以外の8店舗についても、エリア・店舗特性に応じた適正投資とオペレーションの標準化を進め、経営効率を改善し続けます。さらに、多様化する顧客ニーズに対応するための商品・サービス開発にも引き続き取り組む方針です。

 アニヴェルセル・ブライダル事業は、厳しい市場環境の中、中期経営計画に基づいた事業変革を進め、2024年度は具体的な成果を上げました。今後も「人々の喜びを創造する」という理念のもと、婚礼事業を中核に据えつつ、婚礼以外の領域の拡大で成長基盤を構築し、持続的な成長を目指します。

事業トピックス

「アニヴェルセル みなとみらい横浜」リニューアルオープン

 2014年に日本最大級のゲストハウスとして誕生した「アニヴェルセル みなとみらい横浜」は10周年を迎えた節目として、2024年9月14日にリニューアルオープンしました。このたびのリニューアルでは、変化するウェディングスタイルに対応するため、新たに「Brand New Scenery -ウェディングの新しい景色を創る-」をコンセプトに、メインエントランスおよび4つのバンケットを大幅に改装。2チャペル・7バンケットを有する日本最大級のゲストハウスにふさわしいメインエントランスは、開港の街・横浜を象徴するように様々な要素をミックスしました。また、バンケットは、『Atelier アトリエ』を10名から利用可能な少人数専用フロアとして新設し、最上階の『Episode エピソード』は、会場内にオープンキッチンを配置し、夜景とともにシェフのライブパフォーマンスも楽しめる会場へ改装。『Glass グラス』および『Ray レイ』は、お客様のニーズの変化に合わせて、上質・スタイリッシュなバンケットへ改装しました。さらに今後は、ウェディングだけでなく、みなとみらい21地区の活性化に一層寄与できる「街へ開かれた施設」を目指し、年々増加するMICE※需要への対応や地域イベントの開催を推進していきます。

※Meeting(企業会議・研修)、Incentive(報酬・招待・表彰式)、Convention(国際会議・学会)、Event/Exhibition(イベント・展示会)の頭文字を用いた言葉で、政府や地方自治体が誘致する統合ツーリズムにおける催事のことを指します。